5月4日に両国国技館(東京都墨田区)で行われた、西前頭13枚目・逸ノ城(30)の引退発表。師匠の湊親方(元幕内・湊富士)とともに会場に現れたが、両者は目を合わせることもなく師弟の握手もなし。会見が終わると、それぞれ別の出口から退出した。 泥酔して美人女将ボコボコか…師匠とも確執の逸ノ城「戦慄の素顔」写真 「会見での逸ノ城は、どこか投げやりでした。引退のキッカケは、以前から悩まされていた深刻な腰痛だとか。会見で本人はこう語っています。『身体がいうことをきかない。歩くのも横になるのもかなりツラい状態だった』と。確かに最近は、立っているだけで痛そうな素振りをみせていました。 しかし、先場所(3月場所)は14勝1敗で十両優勝。2場所ぶりの再入幕を決めたばかりで、唐突な引退という印象はぬぐえません。親方として相撲協会にとどまることはなく、今後については『今のところ何も考えていない』そうです。報道陣から『やり切ったか』と聞かれると、『もうしょうがないという感じ……』と表情はさえませんでした」(相撲協会関係者) ◆両親や師匠らと5時間以上話し合い 逸ノ城は「将来の横綱」と期待された力士だった。’14年1月の初土俵からわずか4場所で入幕すると、ざんばら頭で前頭10枚目として臨んだ同年9月場所は、大関・稀勢の里や横綱・鶴竜を破り殊勲賞と敢闘賞を獲得。昨年7月場所では幕内初優勝も果たした。 「会見直前まで、関係者は必死で逸ノ城を慰留したそうです。『サンケイスポーツ』によると、モンゴルから来日した両親や師匠、女将らを交えた5月2日の話し合いは5時間以上におよんだとか。両親も『続けてほしい』とお願いしたそうですが、本人の決断が変わることはありませんでした」(同前) 冒頭で紹介したギクシャクした雰囲気からもわかるとおり、逸ノ城と親方の関係は決して良好とはいえない。トラブルを報じたのは、昨年11月に発行された『週刊文春』だ。 「普段の逸ノ城は大人しいのですが、酒が入ると豹変し誰かれかまわず突っかかるんです。『週刊文春』によると、酒席をともにした女将がボコボコにされアザをつくることもあったとか。女将は医科大大学院出身の、角界でも有名な美人です。親方は逸ノ城の酒癖の悪さを危惧し、一人暮らしを許さず関取になっても部屋住みにさせていました。 師弟の確執が決定的になったのは、2年ほど前にさかのぼります。逸ノ城が門限を破り、同じモンゴル出身の知人と飲み歩いていたことが発覚したんです。親方が厳しく叱責すると逸ノ城は反発。新型コロナウイルスの影響で行動が制限されていることや、一人暮らしができないことで交際していた女性と別れた不満をブチまけたといわれています」(スポーツ紙担当記者) 昨年末に逸ノ城は一人暮らしを認められたが、稽古をたびたび無断欠勤し相撲協会の公式YouTube番組をドタキャン。『週刊文春』によれば、師弟の溝は埋まらず対話には弁護士が間に入っているという。 「自由に行動できないうえ、師匠の厳しい指導を受け嫌気がさしてしまったのかもしれません。最近も稽古にほとんど姿をみせていなかったとか。相撲自体に関心が薄れてしまったのでしょう。逸ノ城の才能や年齢を考えると、もったいないとしか言えません」(同前) 引退会見で、断髪式について師弟ともに「考えていない」と語った。「モンゴルの逸材」は、なんとも後味の悪い形で角界を去る。
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